2023-01-01から1年間の記事一覧

救急車 ROMA AMOR (16)

日本に帰ると今回は、妙に日本料理が懐かしく、開いている寿司屋[1]のカウンターに直行した。カウンター席の隣に座ったフランス人が、お絞りで汗をぬぐいながら、「今日はなんにしようかな」。私のまねのできない大人の日本語口調。無事に帰国したことを実感し…

救急車 ROMA AMOR (15)

翌朝も頭部のこぶ付近の痛みと背部の痛み。それでもせっかくの旅行だからと、妻のショールを胸に思い切りきつく巻いてもらい何とかナボーナ広場そばの薬局[1]へ向かった。テーピングのようなものを探していると、若い可愛い薬剤師さんが近づいてきた。事情を…

救急車 ROMA AMOR (14)

猛暑の中、再びローマの街を散策。フォロ・ロマーノ、パラティーノ丘、地下鉄で聖パウロ大聖堂[1]。大聖堂に付随したカフェテリアで、サラダライスと白ワイン。 汗をかいたので、ホテルに戻った時、今度は私の番だった。妻が洗面所にいて、声を上げた。昨日の…

救急車 ROMA AMOR (13)

そう言えば、出かける前、もう一つ事件があった。パン焼き器に油ののったクロワッサンを入れるのは危険。 ホテルの朝食のカフェテリア。 食パンを載せると、 ベルトコンベアが回り、 こんがりしたトーストが出てくるしかけの装置があった。 妻がクロワッサンを暖めた…

救急車 ROMA AMOR (12)

翌日は、妻も元気になる。「パンテオンの神殿の前の石畳に寝た日本人は初めてかも」と言うと、妻は帽子を深くし、サングラスをかけた。そして、前日とほぼ同じ服装の私から少し離れて歩いた。昨日助けてくれた人に御礼を言おうとしたが、どの人かわからなかっ…

救急車 ROMA AMOR (11)

この病院 Ospedale Santo Spirito[1]はヨーロッパで最も古い病院。727年聖ペトロの聖地への巡礼者の収容、援助、ケア専用の建物として生まれた。今も使われている男性病棟は歴史的建造物とのこと。そのことを後で知り、妻が「私は夫孝行。あなたの好きなロー…

救急車 ROMA AMOR (10)

深夜、12時過ぎ、 場所の見当のない病院。ERはタクシーを呼んでもらえるような雰囲気ではなく、救急車の出入りする通路沿いに裏口から車の遮断機を乗り越えて外に出た。すると、何か見覚えのある風景。テベレ川の岸辺のレストランの光と音楽。ローマの休日の…

救急車 ROMA AMOR (9)

私も入ろうとすると、家族はだめという。そのうち中で妻が、夫を中に入れてくれと頼んだとのことで、入ることができた。40歳ぐらいのややタバコの臭いがする女性医師が現れた。自分は英語が下手でごめんと言う。それに安心して、私もつたない英語で説明した…

救急車 ROMA AMOR (8)

ERに到着、トリアージ室に妻は運ばれ、私は外で待たされた。似たような事情なのか多くの患者と家族が待っている。また、救急車が入ってくる。やはり、女性と男性のコンビ。女性がリーダー。その後、妻は出てきたが、ストレッチャーに横になったまま、30分ほ…

救急車 ROMA AMOR (7)

パンテオンを見ながら、食事をとり、ワインを飲む。そろそろ会計というときに、妻の様子がおかしい。意識消失。足を上げるようにして横にすると意識がもどる。そばのホテルまで歩こうとしてパンテオンの前で再び意識消失。黒い石畳に横にした。機関銃を持っ…

救急車 ROMA AMOR (6)

(7日前、日本からローマへ到着した日) これより、7日前ローマに午前10時頃到着した。猛暑。空港まで迎えに来てくれたNさんがローマもサハラ砂漠に飲み込まれつつあると真顔で言う。40度。それでも嬉しくて、トレビの泉、スペイン広場と歩き回ってしまう。8時…

救急車 ROMA AMOR (5)

“のんびり”を3日間過ごして、ナポリまで車で送ってもらい、電車でローマ、パンテオンのあるセナート広場のホテル[1]に戻った。いろいろあったが、これから帰るのはやはり名残惜しい(写真2)。しかし、日本に帰り、病院で検査をしてもらえば、安心できる。 [1]…

救急車 ROMA AMOR (4)

翌朝、アマルフィを歩いた。街までは、狭い道を車と競って歩くのは危険で、ホテルのシャトルバスを利用した。街の中心部にある大聖堂[1]の大屋根から朝の太陽の光がこぼれでて、まぶしい。イエス・キリストが布教を始めたころ、ガリラヤ湖で漁をしていたアン…

救急車 ROMA AMOR (3)

ソレントのナポリ湾を見渡すレストラン[1]でランチとプロセッコの後、海岸沿いの車がすれ違うのもやっとの狭い道をひたすらドライブし、アマルフィのサンタカテリーナホテル[2]に到着した。少し節約して、海が半分見える部屋を予約していたのだが、海が一望…

救急車 ROMA AMOR (2)

(ローマからアマルフィ) ナポリからアマルフィへの交通の便は悪く、贅沢して、Nさんという日本人に運転を頼みローマ-アマルフィの半日のドライブをした。Nさんは「アマルフィ 女神の報酬[1]」という映画で最後のクライマックスの大使館のパーティのシーンにエ…

救急車 ROMA AMOR (1)

土曜日の仕事が終わり、気に入っている近所の蕎麦屋に行った。時々の、土曜日の仕事の後、昼食と夕食を兼ねて、ここでのにしん、卵焼き、天ぷら、蕎麦と店主のおすすめの日本酒を楽しみにしている。ところが、今日はたどり着いたそば屋の電灯はついているが…

街のひとつの歩き方(23)

私の場合、旅にどれだけ浸ったかは、旅行後の最初の日、午前中の診療中に測る事ができる。問診でのバイタルサイン、「食欲 便通 睡眠 体重 変わりありませんか」と尋ねるときに感じる違和感の大きさだ。この違和感は案外心地よい。ワインを飲みながら、友人…

街のひとつの歩き方(22)

ローマに戻り、”怪しい遠回り”の35ユーロのタクシーでホテルに戻った。35ユーロはちょっと高かったが、親切でいつもと違う景色を見せてくれたと考えることにした。ロトンダ広場のレストラン[1]で、アコーディオンの音色を聞きながらワインを飲んだ。妻が、広…

街のひとつの歩き方(21)

ナポリのヴェレッロ港に着いた。数日前の乗船時に娘が確認しておいたタクシー乗り場に急ぐ。ナポリの道は相変わらずの渋滞だ。運転手が「すいている道を通る」と説明し、裏道に入る。頭上には両側の建物の窓と壁にわたして張ってあるロープに洗濯物がたなび…

街のひとつの歩き方(20)

翌朝、ローマへ戻る。10:40の船に乗ることにした。帰りの船までのトランクはどうするのか尋ねた。フロントに早めにトランクを預けると、港まで運び、船に載せるという。船の切符は港でマルコという人から貰うようにと説明を受ける。会えない時のための移動…

街のひとつの歩き方(19)

青の洞窟前にはすでに多数の客を乗せた数隻の観光船が停泊していた。そこから、2-3人ずつ、小舟にのりこみ青の洞窟に入る。待たされることを覚悟したが、すぐに小舟が近づいてきた。小舟の男は、「終わったら仕事に応じて私にもお礼を」と説明する。海に浮…

街のひとつの歩き方(18)

二日目の朝、フロントで、港にあるバー[1]の名前とそこでチロという男性に落ち合えと教えられた。旅行客にとっては少し不安が残るやり方だ。ケーブルカーで港に下り、バーを探し当てた。NHKふれあい街歩きで見覚えのある髭のウェイターが「チロを探している…

街のひとつの歩き方(17)

青の洞窟は有名だ。翌朝、食事前に、フロントに寄り、洞窟へのプライベートボート[1]を頼んだ。「今日はいっぱいで夕方の4時半になってしまう」という。到着時に次の日の天気の良さに賭けて、予約しておくべきだった。その翌日の朝のボートを予約し、その日…

街のひとつの歩き方(16)

カプリの街の夜は独特の雰囲気だ。着飾った男女が練り歩く。中心部のオープンカフェはそのような人々が酔っているのか大声で挨拶しあっている。細い街路を目の覚めるような美女が白いリゾート用のドレスを着て、モデルのように背筋を伸ばしてゆったり歩いて…

街のひとつの歩き方(15)

覚めると、カプリ島が眼に入った。翡翠色の海に沢山の小舟が浮かぶ。港の彩のある街並み。岩肌のみえる山の中腹に緑に囲まれて点在する白い家々。紺碧。港からホテルのある街までは、ケーブルカーに乗るか、タクシーを使うか、坂道を登るかだ。前もってホテ…

街のひとつの歩き方(14)

「船にトランクを持ち込む場合は2ユーロの荷物料金の切符も買うこと」と案内図があり、それも購入した。列車と同じ様に、電光掲示板があり、何番埠頭と番号が出るようになっている。待っていると18番埠頭と掲示された。18番埠頭が見つからない。妻が船員らし…

街のひとつの歩き方(13)

カカプリ島へ。ローマから1時間半ほどで、ナポリに着いた。ナポリはスリが多く怖いところというイメージがあり、脇目も振らず、タクシー乗り場を探す。終着形式の駅では大抵、ホームから終着方向に歩いて、駅を出ると、左側にタクシー乗り場がある。我々は数…

街のひとつの歩き方(12)

チンクエ・テッレを旅した時だ。チンクエ・テッレは海岸沿いに並ぶ5つの村(チンクエ=5、テッレ=村)。各々の村には、色とりどりの家々が海岸沿いの崖に重なり合って並ぶ。それぞれの家が別々の色に塗られているのは、男が漁からから帰った時にすぐに自分…

街のひとつの歩き方(11)

ローマとその周辺で2日過ごした後、カプリ島に向かった。ローマからナポリまでのユーロスター[1]をインターネットで予約[2]してある。ホテルからローマ・テルミニ駅[3]まではタクシーで大体20ユーロ。飛行機と同様に、駅の電光掲示板の前で、予約してあるユ…

街のひとつの歩き方(10)

ローマのレストラン。高級な所には入ったことはないが、トリップアドバイザーでランクが上の方にあるレストランは予約しておくほうが確実だ。ロトンダ広場付近にあるArmando al Pantheonというレストラン[1]。美味しい。ローマの料理らしく塩味が濃い。Colli…