街のひとつの歩き方(14)

「船にトランクを持ち込む場合は2ユーロの荷物料金の切符も買うこと」と案内図があり、それも購入した。列車と同じ様に、電光掲示板があり、何番埠頭と番号が出るようになっている。待っていると18番埠頭と掲示された。18番埠頭が見つからない。妻が船員らしい人に尋ねると、18番埠頭はありえないという。結局7番埠頭とわかり、そこに急いだ。1つの入り口に7-8列に重なり合って乗船を待つ人々の最後尾に並び、もみ合いながら、船に乗ることができた。荷物の切符を提示することもなく、トランクを持ったまま船室に入った。空いている椅子はぽつぽつと残っているだけ。家族は何とか席を見つけたが、私はトランクを持っているので、列の間の席に入れない。うろうろとしていると、トランクをおける空間をもつ席が前の方にひとつ空いていた。その隣に座っていたアフリカ系の少女が座っていいよという風に眼で合図してくれた。前の方は揺れが大きいから船酔いしやすいと聞いていたので、ワイパックスを舌下し、眠り込んだ。