2019-04-01から1ヶ月間の記事一覧

街のひとつの歩き方(8)

これはかなり無理な帰納的推論だが、地下鉄以外の乗り物の”相客”は親切なように思う。アッピア街道をカタコンベまで2時間位歩き、疲れたので帰りはバスにしようとバスストップに並んだ。皆が切符を持っていることに気付いた。後ろの女性に切符のことを尋ねた…

街のひとつの歩き方(7)

パレルモからローカル線でアグリジェントに着いたときの話だ。一緒に降りたはずの他の観光客はいつのまにかいなくなった。駅前の広場は閑散としている。通りを少し歩き、ひなびた雰囲気のバーに入った。薄暗い天井ではカサブランカがゆっくり回っている。警…

街のひとつの歩き方(6)

翌日の夕食から何回かカルチョフィを試みた。ローマ風は煮しめたもの、ユダヤ風は揚げたもの。得体の知れない食べ物だ。ローマでこの季節一番美味しい料理だという感覚を得るため、ローマ市内の旧ゲットー地区にあるユダヤ人のレストラン[1]にも行った。町に…

街のひとつの歩き方(5)

広場を囲んで観光客をあてにしたレストランが並ぶ。向かい側にあるレストラン[1]ではちょっと風変わりな思い出がある。ある夜、妻と広場に向かう外のテーブルで夕食をとっていた。席はいつもどおり、妻は広場向き、私は後向きだ。隣の席に二人の男が広場向き…

街のひとつの歩き方(4)

石畳の道、トランクを転がして歩くのは少し注意が必要だ。30年位前、フィレンツエに着き、ホテルを紹介してもらおうと駅の案内窓口に並んでいると、一人の少年が近づいてきた。「ママがやっているホテルへ案内する」と誘ってくれた。窓口までは長い行列だっ…

街のひとつの歩き方(3)

ローマでのホテル[1]はパンテオンの前のロトンダ広場に面している。料金によっては、 パンテオンの柱が眼と鼻の先にある部屋に泊まれる。以前は、ここより150m位離れた別のホテルに泊まることが多かった。こちらのホテルはガリレオが裁判を受けたミネルヴァ…