街のひとつの歩き方(17)

青の洞窟は有名だ。翌朝、食事前に、フロントに寄り、洞窟へのプライベートボート[1]を頼んだ。「今日はいっぱいで夕方の4時半になってしまう」という。到着時に次の日の天気の良さに賭けて、予約しておくべきだった。その翌日の朝のボートを予約し、その日は、バスに乗りアナカプリへ向かう[2]。アナカプリはカプリと比べて昔の風情が残る素朴な街だ。サン・ミケーレ物語を書いたスェーデン医師のアクセル・ムンテがアウグストゥス帝の別荘跡に作った広大な別荘ヴィラ・サン・ミケーレがある。19世紀末~20世紀初頭、カプリ島で唯一の医者だったムンテは無料で診療し、住民は海底に沈んでいたギリシャ時代の多くの彫刻を贈り、それらも飾られている。

 

[1] 多くの客が乗る観光船の場合,青の洞窟の前で、波に揺られながら、1時間近く待つこともあるらしい

[2] NHKふれあい街歩きではカプリからアナカプリまで,カメラは古代の階段を登った風に描写されていた。フロントでその道筋を尋ねると絶対無理と笑われた。古代の階段は,車が往来する狭いくねくねした道でところどころ寸断されている。