救急車 ROMA AMOR (7)

パンテオンを見ながら、食事をとり、ワインを飲む。そろそろ会計というときに、妻の様子がおかしい。意識消失。足を上げるようにして横にすると意識がもどる。そばのホテルまで歩こうとしてパンテオンの前で再び意識消失。黒い石畳に横にした。機関銃を持った兵士がかけよって来た。警察官が救急車を呼んでくれた。レストランの隣の席にいたピンク色のシャツの若い男性が氷をもってきて、首にあててくれた。旅行客らしい女性がイタリア語を英語に通訳してくれた。イタリア! その後、救急車は現れず。「Donna Leonという人のヴェニスが舞台の刑事小説シリーズを読んでいるので、このようなとき、パトカーや救急車が来るのがとても遅いのは知っていますよ」と、心の中で、 一緒に待ってくれている警察官に、イタリア事情のいいわけをする。そのうち、観光馬車の御者が警察官に強い口調で何かを言い始めた。商売の邪魔になっていると言っているのかなと心配になった。そのうち、御者は、馬と馬車を後ずさりさせ、妻の側に横付けにした。石畳の上はひどいと妻を乗せて椅子に横にしてくれた。救急車が来て、乗り込むとき赤いシャツの御者を見るとPregoとにっこり合図をした。救急隊員は女性と男性のコンビ。男性が助手のようだ。救急車はすぐには出発せず、塩を舌下するなど、随分長い時間、様子をみた。妻が立ち上がろうとすると、また、崩れてしまい、病院に向かうことになった。